素形材通信 2000年8月1日
ファクトプレス品拡大に先手 日本クロス圧延と業務提携
ファクト(神奈川県平塚市、佐草信之社長)は日本クロス圧延(千葉県茂原市、岡社長)と業務提携し、マグネシウム合金コイルの販売を開始すると発表した。マグネ合金のコイル材は現在、世界的にほとんど生産されておらず、国内でも初めての販売となる。マグネ合金のプレス品市場が今後急速に立ち上がると見込み、販売面で先手を打った。
マグネ合金は軽量でリサイクルできる性質から、構造材としての需要が急速に伸びている。現在、構造材としては、ダイカスト法やチクソーモールド法での量産が主流だが、ノートパソコンなどの携帯機器の筐体に代表される薄肉製品を量産する際の歩溜りが低く、これを向上させることが現行法の最大の課題となっており、マグネ合金のプレス成形はこうした課題の解決策の一つと位置ずけられる。
このところ、プレスメーカーのマグネ市場参入に向けた動きが活発だが、素材面では輸入品のシート材に依存している。これらの輸入シート材は、板厚のバラツキや表面状態の点でプレスメーカーの要求に応え得るものではないとされ、再圧延されるが、こうすると機械的性質が安定しないという問題も抱えている。
今回、発表するコイル材は、ファクトが輸入するコイル状のAZ31B押出素材を日本クロス圧延が圧延・調質するもので、機械的性質の異なる二種類のコイルを用意した。
一つはクロス圧延材で、圧延過程でコイルの長さ方向(L方向)の圧延と同じに横方向(C方向)の圧延も行うため、機械的性質はL方向とC方向とでほぼ等方的となる特徴がある。これは日本クロス圧延が有する独自のクロス圧延技術を、長尺コイルに適用できる連続クロス圧延機を新開発したことにより可能となった。
もう一つは通常行われている一方向圧延材で、コイルの全長にわたって機械的性質の変動が少ないという特徴がある。これも同社が新開発した圧延温度を一定に保持しながらコイル材を圧延できる圧延機により製造可能となった。
販売は、ファクト及び日本クロス圧延の両社で行う。
当初は月間三dから供給を開始し、順次、数量を拡大する。