日刊工業新聞 1999年11月19日
ニッケル3アルミニウム箔冷間圧延にて厚さ90μを実現
金属材料技術研究所は18日、日本クロス圧延(千葉県茂原市茂原697、岡社長、0475-22-4151)日鉄テクノリサーチと共同で、厚さ90μのニッケル3アルミニウム箔を冷間圧延で製造したと発表した。もろくて加工できないという同材料の欠点を一方向凝固という処理で改善して実現した。高温強度、耐酸化性に優れた金属間化合物である同材料の箔はさまざまな応用が期待できる。
ニッケル3アルミニウムは高温になるほど強度が増す材料。一方向凝固を行うと、もろさの原因である結合力の弱い不規則結晶粒界を、結合力の強い凝固組織に変えられる。金材研などはこの一方向凝固材料を用い、冷間圧延で厚さ90μ、巾10mm、長さ1メートルの箔を製造した。初期厚さ2mmの板材を、室温で4段ロール、超硬ロールを用いて圧延。現在、最高55μまで圧延できることを確認している。90μ厚箔の圧延率は約96%に達する。箔の表面性状は滑らかで美しいという。
同箔は1300℃の高温に加熱した後でも、もろくならない。厚さ90μの箔が製造できたことにより、軽量で強度と剛性が高いハニカム構造体、コルゲート構造体などニッケル3アルミニウムの応用可能性が広がった。
これらの軽量耐熱構造体をジェット機、自動車などのエンジン部品に適用すれば、性能向上が期待できる。この成果は金沢工業大学で開かれる日本金属学会で22日に発表する。