IHP処理は金属表面の耐摩耗性、摩擦係数、焼付防止効果に優れた表面処理です。

WPC処理 低フリクション+耐摩耗

WPC処理とは

WPC処理とは、金属表面に特殊なマイクロディンプルを成形する表面処理です。
このマイクロディンプルの効果で、摩擦係数の減少、油膜保持力の向上、放熱性の向上、摩耗防止などの優れた特性が得られます。

 

マイクロディンプル自体は新しい技術ではありませんが、従来のマイクロディンプル処理は耐久性に問題がありました。
現在ではその弱点は克服され、耐久性が向上し、金型、自動車部品、産業機器など様々な用途に利用されています。

 

WPC処理は原理がシンプルで、処理コストに優れます。
またDLCや窒化チタンのようなコーティング系の表面処理ではないため、何度でも再処理が可能です。

 

<用途>
金型関連
プレスパンチ ベンダー金型 絞り金型 スエージング金型 ローラーダイス 溝ロール

 

産業機器部品
金型、ベアリング、シャフト軸受け部、メタル軸受け、スライドレール、歯車、etc

 

関連自動車部品
カムシャフト、クランクシャフト、コンロッド、ピストン、ピストンリング、エンジンブロック、ベアリング、LSD etc

マイクロディンプルの効果

wpcの原理

接触面積の減少

表面に形成された滑らかな凹凸により、接触面積が減少するため、摩擦係数が減少する効果が得られ、フリクションロスが大幅に減少する。

 

油膜の保持効果

表面に形成された滑らかな凹凸が油だまりとなり、油膜を保持し油膜切れを防止します。超高速で摺動する箇所でも強力に油膜切れ防止できます。

 

油膜の反作用の効果

凹凸に閉じ込められた潤滑油は、高圧が掛かると反作用が発生し、金属同士の接触を防止します。その効果で摩耗の防止、摩擦の低下の効果が得られます。

 

表面積の増加

表面の凹凸により表面積が増加します。ヒートシンクと同じ効果で発生した熱を効果的に放熱できます。高出力エンジンのシリンダーの熱膨張を防止できます。

 

表面硬度の効果

ディンプル成形時に発生する高熱で、表面に熱焼き入れ効果が得られます。Hv70前後と高硬度になり、耐久性とディンプルの摩耗を防止します。※ベアリング鋼Hv60 


WPCのマイクロディンプルの耐久性について

wpcのディンプル耐久性について

どんな高性能な表面処理でも効果が持続しなくては意味がありません。
少し前ではサンドブラストで、酸化アルミ紛などを吹き付け、傷をつけるように凹凸を形成しました。
その凹凸が油だまりとなり潤滑性が向上し焼き付きの防止、接触面積は減少しフリクションロスの低減、表面積の拡大は放熱性向上と、高性能化に劇的に効果がありました。
しかしサンドブラストで成形した凹凸は耐久性に劣っていました。形状が鋭角のためすぐに摩耗してしまい、一部のモータスポーツなどで使用されました。

 

その弱点を克服するために、WPCという処理方法は開発されました。
WPCは表面を削るのではなく、数μの微細パウダーを高圧で吹き付けることで、表面に滑らかな形状の打痕を成形します。
その結果、数万Kmの走行でも効果が維持します。
※オイル管理と仕様用途によって耐久性は前後します。


自動車部品のWPC処理

WPC処理はマイクロディンプルの効果で、摺動部のフリクションロスが減少し、耐摩耗性、潤滑性、耐カジリ性が大幅に向上し、モータースポーツの世界では、WPC処理は当たり前のように利用され実績を上げています。

 

WPC処理はシンプルな処理なので、さまざまな部品に容易に処理ができます。もちろん耐久性を持たせたい箇所をピンポイントで処理することもできます。
弊社では部品1つからでも処理できますので、ぜひWPCの効果をお試しください。

WPCの潤滑特性とフリクション

マイクロディンプルの油膜保持原理

少し昔は、新車のときにみんな慣らし運転をしました。しっかりと慣らしをすることで、高回転までスムーズに回る壊れにくいエンジンになると信じて
もちろん慣らしには理由があって、新車時のシリンダーは研磨仕上げで、表面がとてもなめらかです。しかしその状態だとワイパー効果で、潤滑油がピストンリングでスワイプされ、無潤滑状態になり摩耗の原因になります。
だから慣らし中は、潤滑切れを発生させないように、低回転、低負荷でエンジンを回し、時間をかけてシリンダーに超微細な縦傷を成形させます。
この縦傷が潤滑油の油だまりになり、高回転、高負荷でも潤滑切れを防止でき、ピストンリングとシリンダーが直接接触しない状態(流体潤滑)になるためフリクションロスが大幅に減少し、いわゆる「良く回るエンジン」になります。
WPC処理はこの慣らしの原理とおなじで、さらに滑らかなマイクロディンプルを形成させるため、さらにフリクションロスが減少するのです。
鏡面よりディンプルがあるほうが摩擦係数が少なくなるなんて、ちょっと信じがたいですが事実なのです。


WPCの冷却効率について

マイクロディンプルの放熱性向上

燃焼室内の冷却効率を向上させるためには様々な方法があります。

 

 

各金属の熱伝導率は次のようになり、カーボン(250) アルミニウム(236) 銅(398) 鉄(84) チタン(19) ※単位(W・m-1・K-1)
数値が大きいほど熱伝導が優れます。鉄は(84)なので比較的熱を伝えにくく、アルミニウムは(236)なので冷却効率で言えばアルミニウムが鉄より優れます。

 

アルミニウムブロックののエンジンは内部のスリーブ温度を効率的に冷却できます。鋳物ブロックのエンジンは熱伝導が1/4程度なので、冷却効率は低くなります。
チタンは軽くて強度がありますが、熱伝導率がとても低く、シリンダー内を窒化チタンコーティングすると、耐摩耗性は向上しますが、冷却効率は下がってしまいます。
シリンダー内部にカーボンコーティングすると、表面の熱伝導が向上するため、効率的に冷却できます。
WPC処理はマイクロディンプルによって表面積の拡大します。それが放熱板の効果で冷却効率が向上します。

 

内燃機関において冷却効率は重要なので、材質はよく検討する必要があります。


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