連続光輝焼鈍処理のご案内

連続光輝焼鈍炉

「連続光輝焼鈍炉」は、汎用性に優れ、様々な焼鈍処理に対応できます。金属の帯材をオープンリールのように連続的に繰り出しながら、雰囲気ガスを充満させた炉の中を通過させ、光輝焼鈍処理を連続的に行います。これにより、箔や薄板の処理、仕上硬度の調整、平坦度の矯正、シートや超少量の対応など、多岐にわたる用途に対応できます。


テンションアニールとは

連続光輝焼鈍炉の原理

テンションアニールは、金属の箔や薄いストリップコイル材料をストレッチした状態で焼鈍する加工法です。焼鈍処理は、窒素+水素ガスあるいはアルゴンガスの雰囲気中で行われます。このような雰囲気下での処理により、酸素と水素が結合して水になるため、材料が酸化することがなく、「光沢表面」を維持しながら焼鈍処理ができます。

 

バッチ式の焼鈍炉で処理をする場合、箔のような薄い材料でもカーリングや挫屈、溶着が起きることがあります。しかし、テンションアニールでは、箔や薄い材料をストレッチした状態で焼鈍処理を行うため、平坦度を維持しながらカーリングや挫屈、溶着が起こることがなく、高品質な仕上がりを実現します。

 

ただし、テンションアニールは厚い板は処理できません。この方法は、厚み1.0mm以下の薄板や箔の焼鈍処理に適しています。


焼鈍後も表面がピカピカです

連続光輝焼鈍処理前後

一般的なステンレスSUS304の焼鈍処理前と処理後の写真です。
硬度はHv415から、Hv190に軟化していますが、光沢は焼鈍前と同じでピカピカです。


連続光輝焼鈍について

当社の焼鈍処理には以下の特徴があります。

 

・水素+窒素またはアルゴンガス雰囲気中で焼鈍処理をするため、光沢表面を維持しながら焼鈍処理ができます。
・連続光輝焼鈍炉を使用しているため、箔や薄板でも平坦度よく焼鈍処理ができます。
・バッチ式の処理でないため、少ない量でも効率的に処理ができます。シート1枚でも焼鈍処理をすることができます。
・300−400℃程度の低い温度で材料に張力をかけることで、材料の硬度を落とさず平坦度のみを矯正することができます。
・焼鈍条件がわからない材料でも短く切った材料を使って、さまざまな温度条件で焼鈍のテストができます。

 

以上の特徴から、当社の焼鈍処理は、光沢表面の維持や箔や薄板の平坦度など、様々な要望に対応できます。また、少量でも効率的に処理ができるため、小規模な製造でも利用しやすいという利点があります。焼鈍条件が不明な場合でも、テスト焼鈍が可能なため、安心してご利用いただけます。

連続焼鈍処理のFAQ

Q、持込材料の対応は?
A、もちろん大歓迎です!

 

Q、なんで光沢を維持しながら焼鈍ができるのですか?
A、水素+窒素ガス雰囲気で処理するので、酸化物は水素と反応して水「H2O」になるため、無酸化で処理できます。

 

Q、薄い材料を処理する場合、挫屈や溶着はしませんか?
A、TA「テンションアニール」という方法で処理します。張力でストレッチするので、平坦度が抜群に良くなります。

 

Q、仕上り硬度の調整は出来ますか?
A、可能です。処理温度と送りスピードの調整することで、ご指定の硬度に仕上げます。

 

Q、チタンは処理できますか?
A、チタン材の場合、100%アルゴンガス雰囲気で処理できます。

 

Q、最小の加工重量は?
A、長さが1m程度のシートでも、ダミー材料をつなげることでテンションアニールが可能です。

 

Q、焼鈍処理ができる最大厚みは?
A、焼鈍処理ができる最大厚みは1.0mmです。

 

Q、焼鈍処理ができる最小厚みは?
A、焼鈍処理ができる最小厚みは、0.03mmです。

 

Q、焼鈍処理ができる最大幅は?
A、焼鈍処理ができる最大幅は180mmです。それを超える場合は、個別にご相談ください。

 

Q、硬度を下げずに、平坦度だけ改善させることは出来ますか?
A、硬度をあまり下げずに平坦度のみ修正することができます。400℃前後の温度で強めのテンションで炉に通すことで、アイロンをかけたように平坦度のみ修正します。

 

Q、納期について
A、材料到着から、1週間程度で出荷できます。

 

Q、品質規格は?
A、ISO9001:2015 No,QAIC/JP/0546-Bを取得しています。

対応できる鋼種

多くの鋼種に対応できます。
基本的になんでもチャレンジいたします

 

純 金 属   ニッケル チタン 銅 モリブデン ニオブ etc
ステンレス   SUS304 316L 410 430 420J2 etc
低膨張合金 36インバー(FN-36) 42アロイ(42Ni) コバール(Kovar)
磁性合金   パーマロイ(PC)(PB) SYO磁性軟鉄 珪素鋼
抵抗合金   コンスタンタン’CN49) ニクロム(NCH)
耐熱合金   インコネル(I-601) ハステロイ(H-X) SUH660 ナイモニック
耐蝕合金   インコロイ(I-825) ハステロイ(HC276)(HC-22)

品質管理

ISO

QAチームによる徹底した品質管理体制で製造しております。
ISO9001:2015 No,QAIC/JP/0546-B


お問い合わせ

株式会社日本クロス圧延
千葉県茂原市茂原697
TEL:0475-22-4151
FAX:0475-25-2338
cross@atuen.com

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