ブランディングについて

ブランディングについて

このセクションは「ブランディングで製品や技術の効果的なプロモーション」がテーマです。

 

なんでブランディングで効果的にプロモーションできるようになるかというと、御社の技術や製品の「優位点やメリット」が、他人に明確に伝わるようになるからです。

 

産業交流会などで「あなたの会社は何を生産しているのですか?」って突然質問されることって多いと思いますが、こんな時に簡潔に説得力にある説明ができますか?
相手の心をつかめるか、「ふーん」で終わってしまうか、これって結構大切なのです。ビジネスの芽はどこから伸びるかわからないのです。

 

このセクションで説明するブランディングとは、自社の製品や技術をしっかりと分析し、強みや弱み、ユーザーにたいするメリットをしっかり分析することで、効率的なプロモーション戦略を構築していきます。
それによって自社の技術や製品を魅力的に説明できるようになるため、販路開拓推進するうえでとてもメリットがあるのす。

 

ブランディングの効果について

ブランディングっていうと食品やアパレル、雑貨など一般ユーザー向け「BtoC」の製品というイメージが強いと思います。
しかし工業などのビジネスユーザー向け「BtoB」の生産技術や中間製品でも「ブランディング」することは大切なのです。

 

ブランディングが必要な理由はライバルから頭一つ前に出るためです。

 

マシニングセンタなどの削り屋やプレス加工メーカーなど、同業の会社は星の数より多いと言われていますが、その中から現在仕事を受注していることってすごいことなのです。

 

何かしら理由があると思いませんか?
加工賃が安いから?いやいや御社が日本で最低価格なわけありませんよね、ちゃんと理由がありから仕事が来るわけです。

 

その理由をしっかり分析することで、それを強みに変えていくことがブランディングなのです。
「社長の人柄は良い」これだって強みです。効果的なブランディング次第では「信用」につなげることができます。

 

 

そう考えるとブランディングに興味が出てきませんか?

 

ブランディングとアイキャッチ

アイキャッチって「目を盗む」ということなのです。
インターネットや展示会などでたくさんの同業者の中から、自社を選んでもらうためには「アイキャッチ」してもらってはじめてバッターボックスに立つことができるのです。できなきゃ素通りです(笑)

 

 

10年以上前になります、千葉県販路開拓助成金をもらえたので「機械要素技術展」という展示会に初出展しました。

 

なにしろ初めてのことなので経験もスキルもなく、とりあえず何でもいいからテーブルに並べて、会社カタログを拡大印刷したパネルを展示したのですが、結果は笑っちゃうくらい惨敗でしたね、3日間で20人くらいしかお客が来なかったと記憶してます。
とにかく来客がないので暇を持て余したので、次回の参考にと他の出展企業のブースを見て回りました。

 

展示会って明暗がはっきりと分かれていました。お客でにぎわっているブースはやはり目を引くものがりますが、弊社のように閑古鳥が鳴いているブースもたくさんありました。
弊社もそうでしたが目を引くものがないブースは閑古鳥が鳴くというわかりやすい構図は一目瞭然です。

 

ただアイキャッチができている会社でも、すごい最先端だかからというわけではなくて、見せ方の工夫だけでたくさんの目を盗んでいる会社もありました。

 

例えばマシニングセンタによる部品加工メーカーもかなりの出展社数で、パッとしない会社も多いのだけど、なかには「弊社は医療器具専門の部品加工メーカーです」と分野を絞っている会社があって、これは上手いと思いましたね、それだけで差別化ができていて、たくさんのライバルから抜け出せるんだなーなんて感心したりもしました。

 

遠くから自社のブースを客観的にながめると、「私だったらスルーするかも...」という寂しい感じでした。
金属材料メーカーと展示しても、そりゃ材料メーカーなんてたくさんあるし、特徴をしっかりを打ち出さないと目を引かないよなーと実感しました。

 

高い授業料でしたが展示会への出展がキッカケとなり、どうしたらもっと興味を持ってもらえる展示ができるか「アイキャッチ」というものを真剣に考えるようになりました。
そして自社製品のブランディングが大切だと考え、手探り状態でのブランディングをトライ&エラーで始めました。

 

男の子はいつでも、「アイキャッチ」と「ハートキャッチ」に一生懸命なのです(笑)

 

自社ブランド「POWER ALLOYS」の失敗

弊社の製造する金属素材なんて、どこのメーカ製もピカピカの金属表面で鉄もステンレスもニッケルも色や形など見た目は全く同じです。
技術だって規格化されているため「高精度!」とうたってもJIS規格、海外だったらASME規格の要求される公差以上は必要ないため差別化がしにくいのです。
商品名も「SUS304 2B 0.5t×200w×coil 50kg」など色気のない商品名になります。

 

展示会で惨敗した後だったので、アイキャッチするためのやる気だけは満々だったので、とりあえずカッコイイブランド名をつけようと考えました。
力強いブランド名にしたかったので、「POWER ALLOYS」と名づけました。

 

それから2年位POWER ALLOYSシリーズで、展示会などで宣伝していきましたが、ほとんど業界内に浸透しませんでした...
そして残念ながらPOWER ALLOYSブランドは消滅しました(笑)

 

今ならブランドの名称を考えただけで、ブランド展開なんて出来るわけが無いことくらい分かりますが、当時はブランド戦略なんて言葉が流行りだした時代なので、ブランド戦略の中身なんてよくわかっていませんでした。
ブランドの名称を考えただけでは意味がなく「戦略」がとても重要だということですね

 

 

余談ですが、弊社が海外との取引が加速した背景にはブランディングがあります。
ブランディングがなければ、間違いなく海外販路開拓は失敗していました。

 

自分が思うにブランディングは難しくはないのですがとても奥が深いです。
ブランディングに終わりはなくPDCAを回していくことが成功の近道!
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)

 

自社ブランドは成長させる必要があります。
ぜひブランディングを一緒に考えていきましょう!

 

世の中のブランドは最終製品ばかり

前回のコラムで、ブランド戦略で失敗した話をしましたが、それからブランディングというものに興味が湧いてきて、他社の製品のブランディングってどうなってるのだろうか?
と、いろいろな製品のブランディングを勉強するようになりました。

 

ブランドっていうと欧州の高級ブランドが最初に思い浮かびますが、安売りのブランドだってあります、それにファッション、食品、工具、メディカル、健康、ホビーなどなど、世の中にはありとあらゆるものがブランディングされています。場合によってはメーカーの名前よりブランドのほうが目立っているなんてこともありますね。家具メーカーの「カネタヤ」なんて知らないけど「ROOMS」ブランドはよく知ってるなんてね

 

こんなのは「うーん」って思います。
安価な商品なのに、高級なブランドイメージをしていたり、実態と乖離しているブランディングもあります。しかし歴史のあるブランドは、製品の立ち位置とブランドイメージがキッチリとマッチしていて、さすがだな〜なんて思ったりします。

 

しかしどんなに探しても私の求めているブランディングとは出会えませんでした。

 

世の中の製品でブランディングされているものって、最終製品ばかりなのです。
弊社も含めて中小製造業が生産している製品は、いわゆる部品といわれる中間の製品がほとんどなのです。それこそ最終製品を製造販売している中小製造業なんて、ほとんどないのが現状です。

 

だからか、どんなに調べても中間製品の製造メーカーででブランディングができている会社はなかなか見つかりませんでした。
それゆえに取り組むべき課題の難しさと重要さを再認識しました。

 

 

食品、ファッション、ホビーなど、いわゆるBtoCのブランディングのほうが進んでいるのか?それとも簡単お手軽ということのなのでしょうか?

 

ブレインストーミングで自社を分析

弊社は金属材料のメーカーです。
基本的に金属材料はJIS規格で製造できていれば、機能性や品質での優位性なんて全くなく、どのメーカーのものを使っても大差ないため、最終的には価格で選ばれることになります。だから利益が確保しにくい産業とされていますが、価格勝負することなくライバルから抜き出るためには、しっかりとした戦略が必要です。

 

戦略を練るため今一度弊社の製品や顧客について何度も自問自答をしました。

 

弊社の製品は◯◯◯が購入する。
弊社の製品は◯◯◯に利用される。
弊社の製品のメリットは◯◯◯
弊社の製品の売価は◯◯◯
弊社の製品の強みは◯◯◯
弊社の製品の弱みは◯◯◯
基本的ですがブレインストーミングの簡易版です(笑)

 

販売の記録から客層を再度検証していると、ビジネスの小さな芽って見つかるものですね

 

金額はたいしたことないのですが、大学やメーカーの開発部からの引き合い件数がそれなりにあるのです。弊社は小規模な材料メーカーなので小ロットでも受注していますが、儲けにならない小ロットの安い仕事なので重要視していませんでした。

 

しかし、これって他の材料メーカーにはできない弊社の強みなのでは?と考えこの分野でオンリーワン企業になろう心に誓って、ブランディングを開始しました。

 

新ブランド:R&D Materialsについて

研究開発分野向けに材料を製造販売をするオンリーワンブランドになるという思いを込めて再度ブランディングをしました。

 

 

新ブランド:R&D Materials
We produce small lots of products for research and development.

 

直球です!!ブランド名だけで、このメーカーは、「研究開発向けの少ロットの材料を製造している」ということがわかるようにしました。

 

 

R&D Materialsは海外をメインに現在も継続して普及活動をしています。
研究開発向けと分野を絞ったことで、多くの国の研究開発や試作の関係者から引き合いが来るようになりました。国内のマーケットだけでは、「儲けにならない小ロットの安い仕事」でしたが、海外展開と合わせることで、受注件数が増え事業として成り立つようになりました。

 

 

中小製造業って、同じような業種の会社が数多くあると思いますが、その中から「選択」してもらえるようになることが大切で、じゃあ「何」をもって選択しているか?を考えることが重要です。

 

R&D Materialsは、R&D向けの材料を探している人から、「選択」してくれますが、逆にそれ以外のユーザーからは「選択」してもらえません。
ブランディングって、ある種のフィルタリングのような感じがしますね、尖っているからこそ、「選択」されますがそれゆえに、除外もされることもあるのです。

 

ブランディングは奥が深いですねえ

 

でもR&D Materialsブランドは、あくまで弊社のブランディング戦略の布石なのです。
後ほど説明しますが、さらに海外展開を前進させるための戦略が隠されているのです。

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