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二次電池用マグネシウム合金電極の開発

現在、電気自動車用の二次電池の開発が世界中で進んでいますが、コバルト、リチウムなど希少金属を使用しない二次電池の開発も注目され、特にマグネシウムは資源量が豊富で安価なため二次電池の素材として注目されています。

 

MM-Lab.にはマグネシウム+リチウム(Mg+Li)合金やマグネシウム+亜鉛合金など様々なマグネシウム合金電極用の薄板の製作が依頼されています。
しかしマグネシウムは延性が少なく薄板や箔を製造することは技術的に難しいが、MM-Lab.では独自の技術でマグネシウム合金箔の製造に成功しています。

マグネシウム合金箔の製法開発

本開発ではマグネシウム合金電極用の薄板を製法開発を依頼された。

 

我々のミッションは依頼元が押出により鋳造した厚さ2mm原料を、薄いロール状に製作する工程を開発した。
マグネシウム合金は冷間では延性が少ないため300-400℃程度の温間でロールを行うことになるが、最適な温度領域が少ないため、最適条件を調べる必要がある。
温度が高すぎると金属組織が成長してしまうことで最終的に粒界剥がれによるクラックが発生する。そして温度が低すぎると延性が少ないため割れが発生します。
その為加工が難しく、マグネシウム電極は製造が困難になります。

 

1.温度条件の開発
サンプルピースを250℃から50℃ずつ450℃までの条件で温間圧延を行い組織の状態を解析し最適な温度条件を確認した。

 

2.焼鈍条件の開発
内部応力を除去するために焼鈍を行う必要があるが、最適な結晶粒を維持しながら内部応力するための温度条件の開発を行なった。

 

3.冷間圧延加工
一定の厚みまでは温間圧延にて加工するが、電極として使用するためには結晶粒のコントロールが必要になるため、仕上げ付近では冷間圧延加工が必要になる。
焼鈍条件と冷間圧延のリダクションの組み合わせにより最適な金属組織を作り込む開発を行なった。

 

4.表面処理
マグネシウム合金の表面には酸化マグネシウム被膜が形成されているため、その状態では電極として使用できない為、酸化マグネシウム皮膜を取り除く必要がある。
この作業は比較的容易だが、電極として利用できるくらいなので金属活性が高く常温で酸化が進んでしまうため対策が必要になった。

 

上記の開発で得られた加工条件は秘密保持契約を顧客と締結した。

積層電極の製作

※開発案件なので構造は開示いたしかねます。

 

二次バッテリー用電極は積層してセルとして使用するが、電極と動線を接合する必要がある。
マグネシウム電極は加熱により激しく燃焼するため、接合は細心の注意が必要になった。

 

技術開発は佐藤製作所の異種金属接合加工によっておこなった。
銅との接合は比較的容易だった。

まとめ

将来の二次バッテリーの需要を考えた場合に、レアメタルを使用しないマグネシウム二次電池の開発に携わることができたのはMM-Lab.にとっても知見の蓄積に有意義だった。

 

今後の課題として、
顧客の素材に含まれる元素は微量の変化でも加工条件が大幅に変わってしまうため、それに対応することが求められた。現在は職人的な技術で対応せざるをえないが、QC工程の観点からシステマチックに対応することが重要課題である。

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