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パーマロイ(Permalloy)+薄板接合技術

パーマロイ(Permalloy)は初透磁率(μ1)が大きく保持力(Hc)が極めて小さいため、磁気を帯びやすく、すぐに消磁する特性がある。
この特性を利用して磁気シールドケースに利用すると優れた特性が得られる。

 

しかし、Permalloyは特性を得るためには、金属組織を肥大化させる必要があり、磁気焼鈍の工程が必要になる。
磁気焼鈍後の材料は歪により特性が下がるため、ベンダーなど曲げ加工ではケース状に加工できない。よってすべての辺を溶接で接合する必要がある。

 

小型の磁気シールドケースを製作するためには、0.3mm程度の薄板を歪まずに接合する必要があり製造が難しかったが、MMLab.の連携で実現したので報告します。

パーマロイ(Permalloy)の特性

パーマロイ (permalloy) はFe-Niの合金で初透磁率の大きいことを目的に作られた合金である。 名前の由来はpermeability(透磁率)+alloy(合金)による。
PCパーマロイ(Ni-Mo,Cu-Fe)は最高の透磁率が得られ、且つ直流特性に優れた材料で、小型・高感度・高性能を求められる磁気遮蔽(シールド)製品に最も適しています。磁気焼鈍前は加工性も高く、絞り加工に優れています。

 

磁気焼鈍は高濃度水素雰囲気の処理が必要で、小型部品等は部品加工や積層後に磁気焼鈍処理を行う場合が多い。
磁気焼鈍後は金属組織が肥大化し鋳物のように脆くなり、歪により特性が劣化するため加工が難しい。ロウ付けの接合では磁気特性は、ほとんど低下しない。

パーマロイ(Permalloy)+薄板の接合ケースの素材について

パーマロイ

素材は鞄本クロス圧延が製造した。
小型の磁気シールドケースを製造するため、Permalloy(PC)T=0.35mmの薄い板材を選択した。厚みが0.35mmの素材は、積層部品で使用されるため流通量があり、比較的入手しやすいサイズとなります。

 

この素材に磁気特性を与えるために、100%の水素雰囲気中で磁気焼鈍を施すが、高温で処理するため、薄板の場合必要は熱歪が発生する。
熱歪を防止するため、セラミックプレートでパックした状態で処理をすることで、歪まずにフラットな状態で磁気焼鈍処理が可能になった。

 

磁気焼鈍後の材料は金属組織が肥大化した鋳物のような状態で、伸びがほとんど無く成形は難しい、また金属組織に歪を与えてしまうと、磁気特性は大幅に減少するため、ベンダー加工や絞りなどの塑性加工による成形はできない。


パーマロイ(Permalloy)+薄板の接合について

パーマロイ(Permalloy)の薄板を磁気シールドケースへ、接合で組み立てるためには高度な技術が必要で、日本でも唯一の接合技術を持つ轄イ藤製作所により実現しました。

 

1mm以下の薄板のロウ付けによる接合は、接合部をトーチで熱する必要があり、熱歪が発生し歪んでしまいます。
これを防止するためにはトーチの調整や冶具の設計技術など知識と熟練があって可能になります。
轄イ藤製作所は極小部品や薄板の接合を長年にわたって手掛けてきたため、信頼でき満足のいく仕上がりとなりました。

 

現在ではケースに配線用パイプの接合や、内部を分割するためリブの取り付けなど、さまざまな要求に対応できます。

パーマロイ(Permalloy)磁気シールドケースの特性について

MMLab.は磁気計測ツールを保有していないため、特性を数値で表すことができません。
あくまでもお客様との共同開発というスタンスになります。

 

MMLab.はあくまでも開発パートナーであり、共同開発した製品の販売は目的としていません。
完成した製品はお客様の独自製品となります。

MM-Labへのお問い合わせ

MMLab.では、新素材+加工技術で高機能化をお手伝いいたします。
なんなりとご相談ください

 

現在はMM-Lab.へのお問い合わせは幹事企業の株式会社日本クロス圧延で取りまとめています。
機能材の調達からそれを使用した部品製造までなんなりとお問い合わせください。

 

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担当:岡 正俊

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