海外展示会コラム01

海外展示会コラム01

リーマンショック以降、とにかく仕事が減ってきて、為す術が無く毎日もがいていました。

 

機械要素技術展に出展したり、大田区の展示会など様々な展示会に出展しましたが、大きな成果がなく出展コストも馬鹿にならず、どうにも手の打ちようのない状態が続きました。

 

弊社の製品は電子部品用のニッケル合金を製造販売しているのですが、電子部品が台湾、韓国、マレーシアなどで製造されるようになるににつれ、徐々に売上が減って行きました。
このままではマズイ、海外に製品を売れるようにならないと未来がないと考え、出来ることからなんでもやろう!と心に誓いました。

 

そして、その日のうちに英会話教室に入会しました。

 

台湾貿易センターの門を叩く

弊社の仕事が台湾に取られていることは確実なことなので、一番最初は台湾に売り込むぞ!と考えました。

 

とはいっても、素人なのでどうしていいか分からず、インターネットでで台湾の工業に関する情報を収集していると、東京の麹町に台湾貿易センターという施設があるということがわかり、すぐ電話して訪問しました。

 

担当者は台湾人でした、海外と取引するのだから、はっきりと物事を伝えようと思い
「弊社の製品を台湾に売るにはどうしたら良いでしょうか?」
と、ストレートに聞いてみました。

 

「担当者は台湾との取引の実績はありますか?」と聞かれたので、「まったくありません」と率直に答えると

 

では、台湾の展示会を見学しませんか?と提案されたので、台湾国際エレクトロニクスショーを見に行くことに決めました。

 

台湾貿易センターで航空券からすべて手配していただけましたが、今考えればHISとかで自分で手配したほうが安かったかな?

 

台湾国際エレクトロニクスショー その1

飛行機の中で、日本の展示会は出展経験があるので、日本と何が違うのかしっかり見てこよう、そして現地の空気をしっかり掴んでこようと考えていたら、あっという間に台湾に着いてしまった。
会社をあまり休めないので夕方まで会社で仕事をして、成田空港を20:00の飛行機に乗り、現地に到着し入国審査などが終わってゲートを抜けるともう24:00を回ってました。

 

朝一番で台湾国際展示場に到着して見学しました。

 

最初の感想は、国際って言う割には「ショボイな」です。
なるほど、プレス品、切削品、精密板金など、日本人として目を見張る技術はあまりないのです。そこら辺にしょぼさを感じてしまう。
日本の方が技術が進んでいるのは間違いないのだ、しかしあることにびっくりする

 

当時、英検3級程度の片言の英語でしたが、MOQ(最低出荷数量)とか、1000個単位の単価、納期など聞くと、その場でポンポン回答が来るのです。後ほど見積しますなんて回答は存在しないのです。
そのことは聞いてはいたけど「すげー」と思ってしまいましたね。

 

やっぱりここらへんが、輸出依存率の強い国の考え方なんだなと感心しました。

 

その場で見積して、買いますか?買いませんか?の世界、ビジネスチャンスはonly oneというわけ、強いはずだ!

 

 

自分もこれは展示会の鉄則にしています、社長である自分が展示会に3日間張り付き、単価、質問には即答するというスタイルは今でも続けています。

 

台湾国際エレクトロニクスショー その2

逆営業も考えていて、英語でカタログを作って持って行きました。

 

A3両面印刷で二つ折りの簡単なものです。
裏表紙に会社案内、中の2ページが加工案内です。

 

エッチングメーカーや、順送プレスメーカーに、私は日本で材料を製造しています、弊社の材料を購入してくれませんか?と営業しましたが結果惨敗...

 

英語力が無かったから?いやそうではありません。

 

弊社から材料を購入するメリットを明確にしていなかったからです。
台湾でも買えるものをわざわざ海の向こうの日本から買う必要はないのです。

 

しっかりと現地にあるもの、無いものをリサーチする必要性を痛感しました...

 

台湾国際エレクトロニクスショー その3

2日間かけてしっかり隅々まで、海外の展示会を見て回りました。

 

次回は私もここで自社製品をプロモーションすると思うと、少し信じられない感じでした。
本当に大丈夫だろうか?と不安になりましたが、made in japanの底力を信じて「やってやる!」と静かに気合を入れつつ、今回はなんでも吸収して参考にしなくてはと、ジロジロ見て回りました。

 

でも、間違いないことは日本の技術と品質に関して、台湾の会社は関心があることは間違いないなということ。

 

だから、弊社の製品を取り入れれば、御社の製品の品質がこのように向上しますとかメリットをしっかり打ち出せば必ず売れるという確信ですが、それが難しいのです...

 

逆にそれができなきゃ、100%売れないという現実もわかってしまいました。

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